2025年12月7日日曜日

R.I.P. Steve Cropper、Phil Upchurch

今年はなんとも悲しい訃報が続く。
世代や、時の流れを思えば致し方ないのかもだけど、
やっぱり悲しいし心が痛む。

ソウルミュージックのギター奏者といえばこの人!
という代表的プレイヤーが同じタイミングで亡くなった。

一人はSteve Cropper。そしてもう一人はPhil Upchurch。
スティーヴ・クロッパーといえばスタックスの黄金期を支え、
映画「ブルース・ブラザーズ」でもバンドメンバーとして出演をしており、
多くの音楽ファンに愛される存在だった。
自分も、最初に知ったのは高校生の時にレンタルのビデオテープで観た、
オーティス・レディングやサム&デイヴのライブ映像。
バンドメンバーが変わらず、しかもギターとベースが白人プレイヤーで、
このバンドがMG'sということを知った。
同じ頃にビデオで観た、ジミヘンやクリーム時代のクラプトンのような
派手さはなかったが、グイグイとバンドの演奏が歌と一緒に盛り上がっていくのは、
これこそがソウルやR&Bの演奏なんだな、と理解できた。

映画「ブルース・ブラザーズ」はいったい何回観たことだろうか。
少し前に劇場で観る機会があったので、映画館でも楽しんだ。
人生のベスト3映画に確実に入る1本だ。
ちなみにベスト1は「ワッツタックス」なんだけど、これは70年代のスタックスで、
残念ながらクロッパーはここには出演していない。

2012年、まだ東日本震災から1年少しという時期に、
盟友ダック・ダンと共に素晴らしいバンドでブルーノート東京でライヴを観ることができた。
終演後にはご本人もいらして、サインをブルーノート東京の
コースターに書いてもらった。
そんな機会が無いと思っていたので、CDやレコードを持っていかなかったのだ。
気前よく、しかも日本語!で書いてくれた。
写真も撮らせてもらった気がするが、手元にはない。

英国のロックバンドをきっかけに、60年代のR&Bやソウルミュージックに夢中になり、
ファンクへのめり込んでいった自分にとって、クロッパー先生(と呼びたい)の
ギタープレイは、まさに学ぶべきスタイルであり、スタンダードそのものだった。
キヨシローの作品への参加も忘れられない。
メンフィスと日本を繋ぐ、重要人物と言えるかも。

フィル・アップチャーチもまた、ソウル・R&Bを支えた重要ギタープレイヤーだ。
元々はチェスレコードのハウスプレイヤーとして活躍をしていていて、
その後は自身のリーダー作品も多いが、やはり僕らにとってはダニー・ハサウェイの名盤「LIVE」で
ギターを弾いていることが大きい気がする。
オープニングの「What'S Goin' On」や「The Ghetto」など、
一体何度カバーしたことだろうか。
手数少なく、でも歌うように奏でるスタイルは素晴らしかった。

素晴らしいプレイは、これからも聴き続けられることだろう。
少なくとも、自分もこの先もずっとクロッパー先生やアップチャーチ先生の遺したものを、
ずっと聴いていくと思う。

↓クロッパー先生から貰ったサイン。大事にします。