2020年4月26日日曜日

真夜中のガンボ

先日出した4曲入CDEPに「真夜中のガンボ」という曲がある。
実のところ、このCDをカタチにして出そうと思ったのが去年の秋ぐらい。
しかし収録するのに相応しい曲が足りないと思い、急ぎ作ってすぐに録音をしたのが12月のことだった。
曲の骨格は本当にパパッと1日で作り、デモもすぐに作り、
歌詞を書くときにニューオリンズファンクの楽しい感じがいいなと思って書いたのが
「真夜中のガンボ」という歌詞。

他愛もないパーティソングだけど、
FREEFUNKのツアーやライブで、ライブ終わりに美味しいガンボを食べたことを思い出して書いた。
ニューオリンズをはじめアメリカ南部の代表的なソウルフードのガンボだけど、
意外と日本で本格的なガンボを食べさせてくれるお店は数少ない。
この曲「真夜中のガンボ」のモチーフにしたお店は2つ。

1つは、もう10年近く前に閉店してしまった、船橋「月」という無国籍料理兼ライブバーのガンボ。
FREEFUNK初代ベースのGONZOが船橋在住だった縁で、年1回のペースでライブをやらせてもらっていた。
船橋って結構遠いので、ライブ終わってグダグダ皆で飲んでたら、あっという間に終電を逃してしまう。
当時はバンドメンバーもお客さんも若かったから、お店の好意で朝まで結局まったりと飲んだり、
楽屋で仮眠したりしてた。
で、お腹すいたらシーフードガンボを注文して食べるのが楽しかったのだ。
マスターが亡くなってしまい、その後しばらく奥さんがお店をやられていたが、それでも閉店をしてしまった。
調べたら今でもお店のBLOGが残っていて、久々にメニューを覗くことができた。

もう1つのお店は、大阪のMagnolia。
Funky Chef伊藤さんのお店だ。
大阪にライブで行く機会が増えたタイミングでお店を教えてもらい、食べてみたらそれはもう美味しくて。
仕事でも大阪に行く時に時間がある限り、ガンボやスペアリブやチキンを目当てに食べに行った。
FREEFUNKのツアーでも、打ち上げをするために遅くまでお店を開けて待ってくれて、皆で食べたガンボの美味しかったこと。
お店は何回か移転をしたが、今はMagnoliaは空いていない。またいつか復活をして欲しいな。

そんなわけで、月でもMagnoliaでも、きまって夜中に、しかもライブも終わった真夜中に食べるガンボが恋しくて、
そのことをテーマにしたのが「真夜中のガンボ」。


2020年の今、たくさんの飲食店が経営困難な危機に陥りつつある。
大好きなあのお店、あの一品が食べたいと思うなら、可能な範囲で取り寄せたり、テイクアウトしてみるのも良いと思う。
楽しい音楽、美味しい料理とお酒。取るに足らない会話して皆で笑うこと。
ほんとうに愛おしいと思う。
さて、この連休は家に篭るつもりだけど、近所の好きなお店のテイクアウトでも買ってみようかな。

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2020年4月20日月曜日

Work To Do At Home

今日の朝からYouTubeで、「One World: Together At Home」を観ていた。
レディ・ガガの呼びかけで行われた、コロナウイルスと戦う医療関係者を支援するためのチャリティコンサートで、
色々なアーティストたちが自宅や自身のスタジオからライブを送るというものだった。
全世界で放映されていたようだが、YouTubeをはじめとした動画配信サイトで観れるのはいかにも2020年の現在らしい。

こんな風に中継されるライブを観ていたのは、もしかしたら1985年のライブエイド以来かも、と思って観ていた。
そしてあの頃とは隔世の感がある。
ライブエイドのような時代から明らかに変わって行くのだな、と思った。
何万人もの人が集うコンサートではなく、アーティストの自宅から「家に居よう、医療関係者を讃えよう」というライブを
みんなが自宅で同時に観る。

大好きなローリング・ストーンズも出てきて、どうやって演奏するのかと観ていたら、
メンバー4人とも自宅からの演奏で、マルチカメラで合わせて演奏していた。
微妙に演奏がずれる場面もあったけれど、素晴らしかった。
おそらくベーシックトラックのベース、ドラム、ピアノ、コーラスはあらかじめ用意したのだろうけど、
チャーリー・ワッツは自宅のリビングで機材のケースやソファを”叩く”、エアドラムプレイ。
きっとドラムセットも用意できたのだろうけど、演奏のクオリティを保つためにトラックに合わせて演奏にしたのだと思う。
でも、チャーリーはとってもかっこよかったし、家にいよう、ってみんな思えたんじゃないかな。

ストーンズの演奏はこれ。


少し前のフェイスブックに、こんなことを書いた。

私見ですが、ワクチンが開発されるまで時間かかるので、その頃には音楽ビジネスは大きく変わると思います。
今までクールとされたものが時代遅れになり、そこを取って代わる新たなサービスやビジネスが中心になる。

大きなドーム・アリーナの公演よりも、何百万人が視聴参加できる配信イベントが中心になるかもしれない。
握手会なんかのミーグリは、ネットでのやり取りがメインになるかも。
5Gの普及で、パッケージは一挙に隅に追いやられるかも。

レコードやCDで育った我々世代は離れられないかもしれないけど、今の十代、二十代があと数年で社会に出てきたら、そもそもパッケージを持つことがクールじゃなくなる。
本当に色々変わる節目が来たと感じています


多分、このコロナウイルスの状況が終わった頃には、
世界は大きく変わっていると思う。
今はその時を迎えるために、この難局を乗り越えなくてはいけない。

少し前にも、このコロナウイルスとの戦いは、「第三次世界大戦」だとも書いたけど、
同じように感じている人は多い。
もちろん、この戦いに最終決戦はなく、今までもおおくの疫病やウイルスと戦ってきたのだから「共生」するしかないのかもしれない。
でも、現在のところ人類は明らかに戦いを挑まれている。
ビル・ゲイツが語ってたように人類にとっての世界大戦は、核兵器での戦いではなくウイルスとの戦いだったようだ。

今できることは多くない。
はっきり言えば、しばらくはひたすら籠り、耐えるしかないのかもしれない。
ワクチンや治療薬が開発され、世界中に行き届くまでは、戦いは続くのだと思う。
今日のニュースでも自宅にいることに耐えきれず外に出てしまう人が多く、公園が賑わっていたとやっていた。
気持ちは痛いほどわかるが、今それをやってしまっては、何もよくならないと思う。

この国に出された「非常事態宣言」はとてもゆるいと批判もあるようだが、
試されているのは政府ではなく、普通に生きる国民、市民、僕たちだと思う。
外出したら逮捕されたり射殺されたりする社会より、ずっとマシだが、自分たちが行動におこす=
今においては「家に篭る」ことが大事だと思う。

昔と違って、ストーンズやポール・マッカートニーや、レディ・ガガのライブを簡単に自宅のテレビやスマホでも観れる時代になった。
映画や本や音楽だって、楽しむことができる。
運動不足はちょっと深刻だけど、全く何もできないわけじゃない。
友人たちとだって、いくらでもやり取りできる。
ありがたいことに物流は動いてくれているから、食料品や医療品は手に入る。

不安な気持ちに押しつぶされたら、それはもう負けだ。
圧倒的勝利を収めるのはまだ少し先になると思うけど、今は籠り、
自分のやるべきこと、するべきことをやっていくしかない。

やれることをやろう、家で。
I've got a work to do at home.

「One World: Together At Home」コンサートで個人的に感銘を受けたのは
John LegendとSam Smithの歌ったStand by Me。
二人とも素晴らしい歌だった。
こういう時代を超えて愛される歌の素晴らしさもあらためて感じた。








2020年4月17日金曜日

FREEFUNK「レコード/カセットテープ」本日発売

今日4月17日は予定通り「レコード/カセットテープ」の発売日。
お手製のレーベルで、順次発送をしているのですでに届き始めていると思うけれど、
無事リリースをできたのでよかった。

本当は18日に発売ライブをやって、会場で直接買ってもらいたかったけれど、
このコロナウィルスの状況ではそれも叶わず残念だが、
作品は無事に出せたので、あとは少しでも多くの人に聴いてもらう活動をせねば。

もともと、2〜3年前ぐらいから断続的に録音は続けていたのだけど、
アルバムってどうしても数年に1枚のペースになってしまうから、間髪入れずにリリースをしたいと考え始めたのが
昨年の秋ぐらい。
録音した曲もある程度ストックができていたので、アルバムではなく
あえてシングルという形で手早く送り出したくなり、
曲を新しく作ったりしていた。
「カセットテープ」や「真夜中のガンボ」はまさにそういう曲なので、ライブでもまだ披露していなかったりする。

「Rock 'N Roll City」はこの中では一番古い曲で録音も完了しYouTubeでは発表済だったが、
思い入れのある石巻、Ore-Fesを歌った曲だからどうしてもCDとして形に残したかった。
イベントの会場ではやはり、カタチになったものを求めてくださるお客さんも多い。

4曲というのは、さっと聴いてもらうのにはちょうどいいボリューム感ではないかと思っている。
初めましての人も、フルアルバム10曲入り¥2,500は「まあいいや」となる可能性もあるけど、
¥1,100なら、記念に手にとってもらえるんじゃないかという気がする。

発売ライブは流れてしまったけど、
4月18日の夜、時流にのって自分たちもなにかしら配信ライブなりをやってみようかな。

CD「レコード/カセットテープ」はこちらでお買い求めいただけます
FREEFUNK Official Store



2020年4月8日水曜日

Can't Stop Funkin' Around

本当に残念で悔しいことだが、
4月18日の新宿でのFREEFUNK CD発売記念ライブは中止、
4月26日のPrince Tributeライブを開催延期、日程未定とした。

自分のバンドで、告知をした後にライブを中止としたことは、
この24年の中でもはじめての事だ。

自分が無職になってたときも、
ベースのゴンちゃん家が出産予定より早く陣痛になったときも、
ウラッチが追い出された時も、
みんなの頑張りと想いでライブをやりきってきたけれど、
さすがに今回のこのコロナウィルスによる非常事態宣言は乗り越えられないと考えての苦渋の決断。

もっとも、自分たちのライブが飛ぶ事よりも世界は遥かに深刻で、
現実に死者が出て、感染者は増える一方だ。
先日もこの日誌に書いたが、これはまさに戦争状態なのだと思う。

音楽や映画、文化の類は戦争の中では実に弱い。
だからこそ、常に平和であることを願い、歌い、描くのだ。

このリベンジはいつか果たさなくてはいけないし、
理解を示してくれた会場のマスターの皆さんには本当に感謝と申し訳ない気持ちだ。
恩を返さねばと思う。

4月18日のFREEFUNKライブは、全員揃ってのライブはおよそ半年ぶりになろうかというタイミングだったが、
叶わなかったので、自宅からの映像配信なのか、無観客スタジオライブなのか、何かしらできないか思案中。

4月26日のPrince Tributeはあくまでも「延期」という事で、スケジュールを改めて調整するつもり。
今回はセットリストも半分以上入れ替えで考えてたのに・・・。

さて、CD発売ライブは無くなってしまったけど、CDの発売自体は止めていない。
通販というかたちでFREEFUNKの公式ストアで予約を受け付けているので、
ぜひみなさんに聴いてもらえたら嬉しい。

そう、FUNKは鳴り止まないのだ。

FREEFUNK最新CD『レコード/カセットテープ』
全4曲入、4月17日発売予定です。
Release Date: 17 April, 2020
Label: Freefunk Music
catalog No. FMCD-005
Retail price: 1,000yen +tax

<収録曲>
1. レコード
2. カセットテープ
3. 真夜中のガンボ
4. ロックンロール・シティ

販売は当面、FREEFUNKオフィシャルストアとライブ会場となります。
FREEFUNKオフィシャルストアでは現在予約受付中!リリースを記念して、
2020年4月30日までのご注文は送料無料にてお届けします。(日本国内のみ)
ご予約はこちらの公式ストアから。





2020年4月7日火曜日

Bill Withersは哲人だった

悲しいニュースが続く。
大好きなシンガーの一人、ビル・ウィザーズが亡くなってしまった。
コロナウィルスの影響ではないようだけど、また一人、巨人が逝ってしまった。

ビルをはじめて聴いたのはファンクやソウルを掘り下げていた20才前後の頃だったか。
それまでのソウルミュージックの雰囲気とはちがう、独特の音楽が魅力だった。
アコースティックなサウンド、シャウトしたりするタイプとは違う、語りかけるような歌い方。。。

アナログレコードで手に入れたカーネギーホールでのライブアルバムは、
バンド編成も演奏もシンプルで、これなら真似できるかも!と夢中になって聴いた。
もっとも、そのシンプルさこそが難しいのだが。

ビルの映像は近年、YouTubeでたくさん観ることができるので、
ぜひみんなに観てもらいたい。
素朴だが鋭い語り口は、彼がまるで哲学者のように見えてくる。

個人的に印象が強かったのは、1974年の映画「ソウル・パワー」の中のビルだ。
当時のザイール、現在のコンゴでのモハメド・アリの試合とあわせて音楽フェス開催、という
なんだかいかにもドン・キング的なイベントなのだけど、
これが前編面白い。

JBやアリなど、いわばビッグ・マウスな皆さんの、どこまで本当かわからない話の中で、
静かに語るビルはちょっと違ってた。
確かアリと一緒に食事をしてるシーンだったかな。

映画の中のビルの演奏もギター1本で、これほどシンプルに強く歌が響く人はいない。
何度聴いても染みる歌声だ。



ビルの曲はたくさん演奏をした。
とりわけ、シュウタロウくんと一緒によくライブをやってた頃は、
「Lovely Day」は定番の1曲だった。
今でもこの曲は大好きだ。
ビルへの尊敬の気持ちを込めて演奏をしてきたつもりだが、
あらためて感謝と尊敬の気持ちを込めて。





2020年4月5日日曜日

WWIII

これはもはや第三次世界大戦だ。
コロナウィルスという、目に見えない敵との戦い。
敵は、国や人種や主義主張や支持政党に関係なく、人間に戦いを挑んでくる。
アメリカやフランスの「非常事態宣言」とはつまり国家レベルの危険信号であり、
各国首脳たちは「戦時の指導者」ということだ。

コロナウィルスは、感染して症状が発生するまでに約2週間。
人によっては軽症で済んでしまうというが、
80才以上の老人は死亡率が20%近いという。

罹ってすぐに症状が出るインフルエンザよりもはるかにしぶとく、
生存本能を持ったウィルスだと思う。

人間はこの戦いに負ける訳にはいかない。
でも残念ながら、今のままでは多数の犠牲者が出るのだろう。
すでに多くの人が亡くなっている。
悪いことは考えたくないが、このままいけば全世界で数十万人の命が奪われるのではないか。

ワクチンをいかに早く完成させ普及させることができるか、がこの戦いを乗り越えるカギになると思う。
完成までには少し時間がかかる。
それまで、世界は家にこもり、感染をしたり感染させるのを少しでも食い止める他、手段は無いと思う。

経済はボロボロになるだろう。
政治家は本気で手を打たなければ、今思っている以上に社会はひどいことになると痛感して欲しい。
もしかしたらすでにそのシミュレーションをしているのかもしれない。

今普通に生きる我々がやれることはごくわずかだ。
生き延びるために、家族や大事なものを守る行動に、
少しでも家にいて過ごすこと。
奪い合うことをせず、助け合う心を持つこと。
自分が大事だと思うものを、声に出して大事だということ。
自分にできることを少しでもやり続けること。

目に見えない敵との戦いの中であっても、心に余裕を持っていたいと思う。
不安を乗り越えることは難しいけれど、自分だけが不安ではないのだから。
国や人種や主義主張や支持政党や、所属する社会などすべてを超えて、「戦う」必要がある。
結構な長い戦いになるのかもしれないし、
この戦いが終わった頃、世界は今までとはすっかり変わっていることも覚悟をしておく必要があると思う。
こんなヘヴィなことを書く日がくるとは思わなかったが、これは現実だ。