2020年5月27日水曜日

音楽を語ろう

少し前にフェイスブックで、元FREEFUNKのトランペットプレイヤー、Atchiが「自分の人生に影響を与えたアルバム10選」というバトンを回してきてくれた。
書いてみたらなんだか楽しく、ついつい語りすぎてしまったのでどこかに記録しておこうと思い、
ずっと使い方を決めかねていた「note」にまとめてみた。

日々の日記、ブログはこの航海日誌で書き続けているので充分だし、今更他のサービスに乗り換える気にもなれなかったので、
使い分ける意味でもnoteは向いていると思った。

ということでnoteに書き写しつつ、加筆修正もしてみたので
よかったら覗いてやってもらえれば。

Captain Freefunk note

FREEFUNKの新曲「レコード」でも歌詞に入れたけど、音楽を語ろう。
そしてたくさん鳴らして聴いて楽しもう。

ライブはもうあとちょっとお預けだけど、音楽は鳴り止まないのだ。
FREEFUNKのCDも好評販売中につき、ぜひチェックしてみてね。



FREEFUNK公式ストアにて好評販売中




2020年5月12日火曜日

猫が教えてくれた音楽

先週末のこと。
長年の友人、幼稚園の時から数えて45年にもおよぶ付き合いの友人が逝ってしまったとお報せをもらった。
本当に悲しくて、涙があふれた。
振り返ってみれば楽しい思い出ばかりだった。
この日誌では音楽のことを書いてみよう。

中学生になると、みんな色々と好きな音楽を聴いたりするようになる。
我々はまさに洋楽全盛の時代で、MTVやベストヒットUSAを観て新しい曲やアーティストを知って、
レコード(まだCDメインになるギリギリ前ぐらい)を買ったり借りに行ったりした世代だった。

僕は最初はなんとなく周りの流行に押されて、ゴーストバスターズのテーマ(レイ・パーカーJrだ)とか、
なんとなく流行ってるヒット曲をテープにダビングしてもらったりして聴く程度だった。
でもある時、ドアーズやTレックス、ビートルズやローリング・ストーンズを聴かせてもらい、
そのかっこよさにびっくりしたのだった。
漠然と、今流行っている曲(当時、1986年とかそれぐらい)よりも60年代や70年代の古い音楽のほうがかっこいいじゃないか!
と感じたものだった。

やがて高校生ぐらいになると日本のアーティストもロックバンドやシンガーでかっこいい人たちがいることを知り、
少しずつ聴くようになった。待望のエレキギターも入手したから、ギターがかっこいいロックが好きだった。

その時期、友人は当時最盛期だったストリート・スライダースとかのレコードをほぼ全部貸してくれて、
これもカセットテープにダビングして聴いたりしていた。
ある時は、元ローザ・ルクセンブルグのどんとと永井さんが新しいバンドをやると教えてくれ、それがボ・ガンボスだった。
友人はある意味今でいうバンギャの走りみたいな感じで、マニアックなグループまで随分と詳しかった。
名古屋は独特のインディーズバンドも多かったから、そういうシーンを追っかけていたらしい。
「割礼」なんてバンドも教えてもらった。そちらはいまいちハマれなかったけど・・・(ファンの人ごめんなさい)。
ある時は名古屋のE.L.Lに一緒に山口冨士夫率いるティアドロップスも観に行ったことがある。
一緒に行ったって言っても、行きも帰りもバラバラで現地集合現地解散、みたいなそっけない感じ。
ちなみにその時のティアドロップスはドラムがチコ・ヒゲさんで、これは後に知ったが本来のメンバーだった佐瀬さんは一瞬辞めてたらしい。圧倒的な存在感の冨士夫ちゃん、クールでかっこいい青ちゃんにノックアウトされたのを鮮明に覚えている。
E.L.Lには色々見に行った。PANTAさん、大江慎也さんとか。

その前後でだったか、ザ・フールズというバンドは雑誌(宝島とかDOLLとか)そういうので読んで知って、どうも日本のストーンズらしいぞということで聴きはじめたが、すでに彼女はその辺も押さえていたし、名古屋のバンドでやはりザ・フールズと近いノリだったTHE GODというバンドも教えてくれた。

やがて僕は次第にリズム&ブルースやソウルに興味が向かい、
大学進学で東京に出てからは、この友人とそういう音楽の話をすることも無くなってしまったが、
ともあれ、高校生の時に色々と教えてくれた。
猫が大好きで、猫のようだった友人がそうやって音楽のことも教えてくれたのだ。

僕らは大人になり、おたがい家庭を持つ世代になり、自分たちの子供たちが
流行っていることや、流行の音楽(今時ならYouTuber)や、ゲームで盛り上がっているのを苦笑しながらも
微笑ましく親の目線で見る齢になった、そんな矢先だった。

それにしても、当時の音楽のことをちょっと思い出しただけでも、こんなに色々なことがあったなんて、
随分と忘れかけていたものだ。
訃報を受けて伝えた同級生たちにも、言われて思い出すような出来事もいっぱいあった。

逝ってしまったお報せには、好きだったという音楽の紹介もあった。
久しぶりに、そして最期に素敵な音楽を教えてくれた。



ほんとうに長い間、友人でいてくれてありがとう。
猫のように気まぐれで自由だったけど、ずっと仲良くしてくれた君のことは忘れない。

2020年5月11日月曜日

R.I.P. Little Richard, a pioneer of Rock'n Roll

リトル・リチャードが亡くなったとのニュースが世界中を巡った。
87才。近年は活動はしていなかったようだけど、1950年代からずっと活動を続けていた印象がある。

ポール・マッカートニーやストーンズの面々はじめ、多くのミュージシャンが追悼コメントを寄せていた。
まさにロックンロールの創始者の一人であり、他の誰とも違う強烈な個性を持った人だった。

自分が初めてリトル・リチャードを聴いたのは14才〜15才ぐらいのころだったか。
当時好きになったビートルズやストーンズはじめロックバンドの多くは50年代のロックンロールに影響を受けた、と知り
ならば聴かねばということで色々漁ったり、ラジオの特集を聴いていたのがきっかけ。

当時のFMラジオで「ロック30年の歴史」みたいな特集番組があって、1956年から1年ずつ、
その年のロック・ポップのヒット曲を紹介するという素晴らしい番組があって、それを欠かさずカセットテープに録音して聴いていた。
自分が生まれるはるか前の1956年はビル・ヘイリーと彼のコメッッツの「Rock Around The Clock」からスタートして、
エルヴィスやチャック・ベリーと合わせて「Long Tall Sally」が紹介されていて、強烈なその歌声に痺れてしまった。
ちなみに「Rock Around The Clock」は1955年のヒット曲だけど、多分この曲からロックンロールが始まったということで、
そうしたのかな。

リトル・リチャードがピアノプレイヤーだったのも面白かった。
自分自身、エレキギターを手にする前はキーボードをと思っていたから、
ピアノでこんなにワイルドに出来るということを見せつけてくれたのがリトル・リチャードだったのだ。

1950年代という時代に、ゲイであり黒人であったことは本当に大変だったのだろうし、
数多くそういうエピソードが残されている。
パット・ブーンにカバーされて、カバーできないような曲として作ったのが「Long Tal Sally」だとか。
1970年代以降は、テレビのインタビューなんかでオバちゃんキャラ全開になってて面白い。
極め付けはこのグラミー賞のプレゼンテーターとして登場した時だろうか。



リトル・リチャードといえばジミヘン。
ジミがデビュー前バックミュージシャン稼業をしていた頃に、リチャードのバックバンドにいたが、
「アタシより目立つんじゃないわよ!」と怒られたエピソードが最高に好きだ。
どっちもめちゃくちゃ目立ってたんだろうな、と妄想も楽しい。

ジミはいくつかの曲に録音でも参加しており、ジミが有名となった後、
あたかも「共演アルバム」かのように編集盤がいくつも出された。
幸い(?)僕らの世代ではそういうレコードは共演じゃないよ、というガイドブックぐらいはあったので、騙されずに済んだが、
それでも聴けばリトル・リチャードも、ジミ(というかバックバンド)も素晴らしいので、今聴いても楽しい。

そんな中でも大好きなのがこの曲。
これは正確にはリトル・リチャードのバックバンドのThe Upsettersのインスト曲のシングルなのだけど、
ほぼジミヘン。



リトル・リチャードの歌う曲ではこれかな。


リトル・リチャードのありよう、振る舞いはその後Princeにも受け継がれている。
そう、ロックンロールの創始者でもあり、ファンクの原型でもあったのかもしれない。

強烈な個性とも渡り合う、強烈な個性。
ロックンロールという最高の音楽をありがとう、リトル・リチャードに感謝。

↓好きな写真。リトル・リチャードとバックバンド時代のジミヘン。
確かにジミはちょっと目立ちすぎかもしれないね。二人とも最高!




2020年5月6日水曜日

航海日誌10周年 Flashback⑤ 2014年石巻

公開日誌フラッシュバックシリーズ、もうちょっとだけ続けてみよう。
今回は2014年5月28日の「ファンキーパンツ大作戦決行!」

Ore-Fesを主催する田口さんに誘っていただき、Ore-fes ファンキーパンツ大作戦、と題したイベントに出演をさせてもらった。
初めて訪れた石巻は、まだこの時は震災の爪痕もかなり生々しく残っていた。
自分にできることをやる、楽しいイベントをやって盛り上げる、というすごくシンプルな田口プロデューサーの思いに胸を打たれ、
これ以降毎年のように参加をさせてもらっている。
訪れるごとに石巻の街は復興をしていて頼もしいし、これからも少しでも何か面白いことをやれたら、と願っている。

復興のバロメーターとも言えるのが、ライブ会場となるBlue Resistanceの周辺の飲み屋さん。
毎年くるごとに新しいお店が増え、繁盛をしているところもあって、嬉しかった。
なるべくそういうお店にも顔をだして、ちょっとでもお金を落として楽しませてもらうようにしている。
もっとも、ついつい飲みすぎてしまうのはよくないが。。。

Ore-FesではいつもバーレスクダンサーのLady n@n@(ナナちゃん、と自分は呼んでいる)やRitaちゃんはじめ、
色々なパフォーマーとの共演も楽しい。
そういえば、n@n@ちゃんを紹介してくれたのは、ゴールデンエッグの青柳さんだった。
あれ以来Ore-Fesでの共演も続いてきたけど、
コロナが落ち着いたら、本当に久しぶりに東京で共演イベントをまたやりたい。
そういえばこの年(2014年)にはCrazy Horsesというイベントをやって、ここで田口さんと色々繋がっていった記憶がある。

この状況になり、デジタルやリモート、SNSがコミュニケーションの中心的ツールになってきたが、
やっぱりライブやイベントの生の体験、人との繋がりほど面白いことはないと思う。
色々な人脈やコネクションがどんどん繋がっていってひろがる。

それから、この日誌の前の日に書いた文には、こんなくだりがある。

震災直後はとにかくあらゆるライフライン、インフラに支障があり、
とにかく安全な場所、食料や水の確保が最重要だった。
しかし、ある程度仮説住宅であれど、最低限のライフラインやインフラが確保できると
みんな津波や土砂で流されてしまった大好きな曲をもう1回聴きたくて、
お店(CDショップ)にお気に入りだったCDなんかを買いに来てくれるようになったと。


これって、今のこの状況にも当てはまることだ。
今はなかなかライブはイベントはできないし、音楽に限らず色々なエンタテインメントは苦境に立たされているけど、
また必要となるその時が必ずくる。
それに向かって、表舞台に立つ人も、裏方も、ファンのみんなもパワーを貯めて乗り越えていこう。

そんな願いも込めて、
石巻Ore-Fesでのライブの映像を再掲出。
共演のファンクラ大臣が撮影してくれた、Lady n@n@との「Maggot Brain」共演映像。







2020年5月1日金曜日

航海日誌10周年 Flashback④ 2013年3月10日「日常」

コロナウイルスの影響で、こちらの航海日誌10周年も、すっかり止まってしまっていた。
もうちょっと続けたいので、久しぶりに更新。
今回は2013年の3月10日。

東日本大震災から2年というタイミングで「日常」という曲を作って発表した。
この日の日誌は、端的にこの曲と歌詞を紹介する程度の文章だけど、
楽曲にいろんな想い、メッセージを込めたからだ。

FREEFUNKにしてはちょっと珍しい感じのゆったりした曲調。
かけがえのない「日常」が愛おしいよね、
またそんな日々が来るよ、という曲。

今のこの時代もまた世界中がそのように思っているのではないだろうか。
今まで当たり前だったことが当たり前でなくなってしまう世界。
ギュウギュウ詰めのライブハウスで盛り上がったり、
乾杯して握手して・・・。
バーのカウンターでひしめき合ってお酒飲んだり。

時代がどんなに変わろうとも、
人間はだれも、ありふれた日常を求めてると思う。
そして、またそんな日々がやってくると信じている。
それまでは我慢したり、苦労して乗り切らなきゃ行けないこともたくさんあるけれど。

今一度、ぜひ「日常」は聴いてもらえたら嬉しい。
また演奏をしたいな、この曲を。



歌詞も再掲出しておく。

FREEFUNK - 「日常(Everyday)」
words & music by Toshifumi Sakuratani

雨の日 晴れの日 曇り空
いい時も わるい時も
くだらない冗談を飛ばしては
バカみたいに 笑いころげる

取るに足らない事ばかり
言うに及ばない事ばかり
変わるもの 変わらないもの 
全てがいま
愛おしい想いに包み込まれて

ありふれた毎日を繰り返す
かけがえの無い事よ
取るに足らない会話を
重ねる事の愛おしい事よ

笑ったり 泣いたり
喧嘩したり 慰めあったり
他愛ない日常にこそ
大事なものは溢れてる

夏がきて 秋になり 冬がきて 
やがてまた春が訪れる
月が満ち 夜を照らしはじめれば
星たちが輪になって踊りだす

思いを馳せる 美しいまち
終わりのない旅の 途中下車
大事なもの かけがえないもの 
全てがいま
愛おしい想いに包み込まれて

ありふれた毎日を 繰り返す
かけがえの無い事よ
取るに足らない会話を
重ねる事の愛おしい事よ

笑ったり 泣いたり
喧嘩したり 慰めあったり
他愛ない日常にこそ
大事なものは 溢れてる

Everyday, Every night
Everybody, Yeah Yeah....
Everyday, Every night
Everybody, Yeah Yeah....

ありふれた毎日を 繰り返す
かけがえの無い事よ
取るに足らない会話を
重ねる事の愛おしい事よ

笑ったり 泣いたり
喧嘩したり 慰めあったり
他愛ない日常にこそ
大事なものは 溢れてる