2025年9月28日日曜日

映画「Electric Lady Stusios Vision」鑑賞

ここのところ音楽映画三昧だが、
そんなに長く公開されないだろうと思い、ZEPよりも先に、
昨夜は吉祥寺Uplinkで
「Electric Lady Studio Vision & Atlanta Pop Festival」を鑑賞した。

数ヶ月前に発売されたジミの編集コンピアルバム
「Electric Lady Studios」にも映像はブルーレイで付属していたが、
これはやはり映画館のスクリーンで観たかったのだ。

ジミが情熱を燃やした、自分のためのスタジオ作り。
クラブを改築するにあたり、色々と難航した経緯がとてもよくわかった。
ジミのスタジオの話は、自分がジミの音楽を好きになり夢中になった頃から
認識はしていたが、
当時の認識は、スタジオを作ることしたがなかなか上手く行かず、
スタジオができた頃にジミが亡くなってしまった、という程度だった。

この映画では、なぜスタジオの製作が遅れたのか、またどういうスタジオを
目指していたのか、かなり鮮明にわかりやすく取り上げてくれている。
キーマンとなる人たち、エディ・クレイマーはじめ多くのスタッフたちの
情熱にも支えられていることを知ると、胸が熱くなった。
今もエレクトリック・レディ・スタジオは多くのミュージシャン達に愛されている。
数多くの名盤を生み出した、名門スタジオと言って良い。
初めてニューヨークに行った20代の頃、スタジオの前で写真を撮った。 もちろん中には入れないんだけど、少しばかりジミの魂に近づけたような気がした。

ミュージシャンが自らのスタジオをもち、自由に音楽制作を行う。
今では当たり前のことだけど、60年代の終わり、自らのスタジオを所有したミュージシャンは
ほとんど居なかった。
ビートルズやストーンズだって、EMIやオリンピックスタジオを使用していた時代だ。

残念ながら未完成となってしまったジミのアルバム「First Rays Of New Rising Sun」では、
何本ものギターを重ねたりした曲が多い。
溢れ出るアイデアをどんどんと形にしていたのだろう。

ジミの創造性が溢れ出てしかたないという、このアルバムと、
先のコンピ、そしてこの映画で全てが繋がって、あらためて感動をしてしまった。

2025年9月23日火曜日

音楽映画三昧

先日のピーター・バラカン・ミュージック・フィルム・フェスティバルに続いて、
音楽映画を立て続けに鑑賞している。

まず先週の土曜に観たのは、ミシェル・ルグランの映画。
ルグランの生涯を結果的に描いたドキュメンタリーで、
素晴らしい作品だった。
ルグランの功績を讃えつつも、舞台裏の彼の姿も捉えていて、
リハーサルで苛立つシーンなどはとても興味深かった。
それも含めて自分なんだ、というルグランからのメッセージだろうか。

東京JAZZとブルーノートで、ルグランのライブを体験できたことは
本当によかった。
年齢をかさねてもなお衰えなかった音楽家としての魂を、
間近で観ることができたのは何にも代え難い経験だ。

日曜にはDisney+で「SLY LIVES」を観た。
ようやく日本でも配信になったので、しっかりと脳裏に刻むべく観た。
こちらもルグラン同様、スライの功績への賛辞だけでなく、
天才の苦悩やスランプ、トラブルを描いていて内容がよかった。
やや目まぐるしい展開になるところもあったけれど、
全体としては良い出来と思う。
これこそ映画館の大きなスクリーンで体感したい一本だ。

そして今日は、やはりバラカンさんの音楽映画フェスで、
マリアンヌ・フェイスフルの短めのドキュメンタリーを観た。
若い頃の可憐で美しい姿も良いが、歳を重ねてからの
マリアンヌもかっこいい。
1990年代の初頭だったか、渋谷のクラブクアトロで彼女のライブを観た。
ギター一本だけのバックだったけれど、
それがかえって歌の説得力を増していたように思う。
黒いタイトなニットだかを着ていて、
歌って呼吸をするたびに胸が揺れ、
妙にドキドキしたのを覚えている。
声はしゃがれ、顔も皺が増えた中年のマリアンヌだったが、
それまで重ねてきた経験や人生が凝縮されたような、
凄みのある佇まいに圧倒された。

この後も、音楽映画が続くので楽しみだ。
今週からはLED ZEPPELINの映画も公開が始まるし、
THE WHOの「KIDS ARE ALRIGHT」、 ジミヘンのElectric Lady Studioに関する映画(これは以前の編集CDに付属していた)など、
自分の大好きなアーティストたちの映画が続々と公開になるので、
手際よく時間を作って観に行かないとと思っている。
大抵は2週間も公開されるとあとは早朝か、レイトショーのみに
なってしまうだろうから。

2025年9月16日火曜日

ピーター・バラカン・ミュージックフィルム・フェスティバル

昨夜はFREEFUNKライブ。
ここ最近忙しくて、あまり新ネタは投下できなかったけれど、
じっくりとオリジナル多めの内容でやってみた。
久しぶりに演奏をした「P-FUNKって・・・なんだ!?」は、
桃花が不在なので自分で全部歌うのは結構忙しかったけれど、
やはりこの曲は楽しい。
先日のP-FUNK来日を観て、改めて盆踊りや祝祭に通じるものがあったので、
そんな思いも込めて。


そして今日は午前から有楽町にでかけ、
ピーター・バラカンさん主催のミュージックフィルム・フェスティバルへ。
音楽を題材とした映画の上映フェスで、さまざまな音楽映画が期間中に
上映される。
なかには日本で公開されたことのないものや、映画館では初めてというものがあり、
これは!と思い立ち思い切って2本立てで観てきた。

1本目はニュー・オリンズの名ピアノプレイヤー、ジェームズ・ブッカーの映画。
彼の作品は大好きで、家でよくかけて聴いていたが、
詳しい生い立ちや人生についてはよく知らなかった。
この映画ではジェームズの人生や在り方はとてもよくわかったし、
改めて特異な才能だったのだと感じた。
ニューオリンズを代表するプレイヤーでありながら、はみ出してしまう
強烈な個性と才能は唯一無二だし、
ワン&オンリーとはこのことだと思う。

そしてもう一本観た映画は、メイヴィス・ステイプルズの映画。
原題はそのまま「MAVIS!」。
これは本当に映画として最高だった。
18〜9歳のころにソウルミュージックを聴き始めたとき、
ステイプルズ・シンガーズの音楽に圧倒され大ファンになった時以来、
最高のシンガーとしていつも心にあるのがメイヴィスだ。
今も元気に活動をしてくれているのが本当に嬉しいが、
この映画を観て、改めてメイヴィスの素晴らしさを強く認識した。

映画の中で出てくるボブ・ディランとの件は最高すぎる。
珍しくテレビのインタビューに答えているボブも貴重だが、
アル・ベルなんかも登場してきて、素晴らしい。

ハイライトは、未発表に終わっていた父親ポップス・ステイプルズの
最後の録音をスタジオで聴くシーンだったと思う。
思わず涙がこみあげてくる、素晴らしいシーンだった。

映画を2本立て続けに観るなんて、ここ何十年もしていなかったけれど、
素晴らしい音楽に触れることができて、とてもよかった。


このイベントはクラウドファンディングもしていたので、
開催にあたっては大変な点もあったと思うけれど、
ぜひ続けてほしいし、また通いたいと思う。

自分が映画館で観たい音楽映画を挙げておいてみる。
書いておけば、もしかしたらいつか実現するかもしれないから・・・。

1. Wattstax
これは以前にも映画館で観ることができたけれど、もう一度観たい!
マイベスト・ムービーだ。

2. Soul To Soul
70年代の音楽映画で、ここにもステイプルズ・シンガーズは登場する。
The Voices Of East Harlemなんかも登場して最高にかっこいい。
これも18〜9のころにビデオテープを借りて夢中で観ていた。
DVDも持っているが、ロバータ・フラックが完全カットされてしまっているのが残念。
ぜひ映画館で観たい一本だ。

3. SLY LIVES!
もうすぐDisney+でも日本で配信となる、スライの伝記映画。
もちろん配信になればすぐに観るけれど、できれば大きなスクリーンで、
映画館で観たい。
NetflixしかりDisney+しかり、自分たちのプラットフォームで配信だけじゃなくて、
映画館でも公開をしてくれたら嬉しいのだが。

他にも色々あると思うけれど、
とにかく映画館の大きなスクリーンで体感するのが、音楽映画としては最高のシチュエーションだ。

2025年9月7日日曜日

George Clinton & Parliament Funkadelicライブ、祝祭の空間

昨夜はビルボードライブでジョージ・クリントン率いるP-Funk軍団、
Parliament Funkadelicのライブへ。
昨年9月のBlue Note Jazz Festivalから1年での来日ということで、
こうして毎年ライブを体感できることは他に変え難い喜びだ。
スライ・ストーンも亡くなり、FUNKを司る人物はジョージ・クリントンだけとなった。
ブーツィー・コリンズも元気ではあるがライブは引退してしまったので、
体感できる機会があるのはジョージ・クリントンのみと言える。 もちろん他にもまだ活躍している素晴らしいミュージシャンやグループはあるのだけど、
ライブの空間やその瞬間を、特別な祝祭に変えてしまうのは、
昔も今もジョージ・クリントンが格別だ。

ジョージは椅子に座っている時間は長くなったけれど、
それでもバンドに対して指示を出し流れを作っているし、
客席を煽りながら時折立ち上がってシャウトする。
もはや歌ともラップとも言えない独特のパフォーマンスだけど、
それがまたワン&オンリーで良い。

「BOP GUN」からスタートしたライブを観たのは、2002年のフジロック以来の気がした。
そして我がギターヒーロー、マイケル・ハンプトンの演奏が素晴らしかった
「RED HOT MOMMA」には感激だった。
マイケルが新調した、クリーム時代のクラプトンのGibson SGを”Kidd Funkadelic"仕様にした
ギターもカッコよかった。

ライブの最中でブランディがまるでマルディグラのように、
客席に投げたビーズのネックレスをキャッチすることも出来た。
あの演出もなかなか楽しかった。

こうなれば、毎年日本にきてライブをやってほしい。
P-Funk特有のあの祝祭感、自分はそれを”盆踊り”に通じると思っているのだけど、
若い世代にも伝わっていってほしいし、永遠に終わらないパーティーとして、
記憶に刻まれて行くのだと思う。
こちらもまだまだ元気に体力つけて応じていかなくては、と思うぐらいだ。

終演後にマイケル本人から最新のCDを購入。
再会できて本当に嬉しい!




























ジョージが元気そうで本当に嬉しい。
文字通りジョージこそがファンクの帝王、No.1だ。