2021年9月26日日曜日

「『FMステーション』とエアチェックの80年代」を読んだ

最近読んだ本「『FMステーション』とエアチェックの80年代」が面白かった。
元FMステーション編集長の方が書いた本で、出版されたのは10年以上前だけど、 文庫本となって最近出たので読んでみた。

洋楽に興味を持ち、FMを聴くようになったのが1985年ぐらい。
中学2年生ぐらいだ。
レコードは¥2,800とかして、買うのにちょっと高かったから、無料でステレオで音楽が聴けるFMラジオは、
中学生や高校生には貴重な情報源だった。
現在のYouTubeのような存在だったと思う。

でも、各番組でどんな曲がかかるのか、どういう特集なのか知るためには、
FM番組表を掲載している雑誌が頼りだった。
そういうニーズもあったから当時は多くあったFMラジオ専門誌の中でも、
「FMステーション」はとりわけカッコ良かったし、
本の中でも触れられているが実用的だった。
カセットテープにエアチェックをして録音をし、自分のベスト盤的な編集をするのだけど、
カセットのラベルなんかにちょうどいい写真がいっぱいあったのだ。
カッターでアーティストの写真をうまく切り取って、オリジナルのテープを作っていた。
当時はFMでライブ音源もよく放送されていて、今思えばかなり貴重な音源が多くあったと思う。

鈴木英人さんのイラストを見ると、反射的に「FMステーション」と思ってしまう。
毎号表紙を飾っていたイラストは、
明るくポップでアメリカの情景(その頃は行った事もなかったけど)を思い起こさせてくれた。
あの時代ならではの海外の音楽や文化への憧れの象徴だったと思う。

90年代に入りJ-Waveが時代の流れを作ってからは、
正直ラジオからは少し遠ざかってしまっていたけれど、
最近はラジオをよく聴いている。
山下達郎さんの番組はもう30年近く放送されている長寿番組だし、
ピーター・バラカンさんの番組は欠かさず聴いている。
かつて僕らもゲストで出演させてもらったNHK FMの「ソウル・ミュージック」も、 今は久保田利伸さん、村上てつやさんがDJとなり続いている大好きな番組だ。
他にもちょっとマイナーな番組を聴いてみたりしているし、
最近は村上春樹さんや松茂豊さんの番組もあって楽しい。

ネットで聴けるラジコが登場してからは通勤や移動の時に聴く事がかなり増えている。
今の時代はインターネットが情報源の中心だけど、
ネットとラジオのような音声主体のメディアは相性がいいのではと思う。
一瞬流行った?Clubhouseもそうなのかもしれない。
ところでこの本を読んで、今更驚いたのが「FMステーション」の出版元ってダイアモンド社だったこと。
ビジネス誌とか経済誌のイメージが強いけれど、なかなか目の付け所が良かったんだろうな。




昨年配信でもリリースした桃花が歌う「カセットテープ」はまさにFMステーションを読み漁り、
エアチェックに勤しんでいたことを歌ったもの。
歌の内容は女性目線の曲に置き換えているけれど、
やっていたことはまさに僕の十代のころそのものだった。


0 件のコメント:

コメントを投稿