2021年8月29日日曜日

映画「Summer Of Soul」、この夏最高のバーチャル・フェス体験

昨日は渋谷にて話題の映画「サマー・オブ・ソウル」を鑑賞。
幻のフィルムが再発見されたというニュースが報じられ、やがて映画公開と聞いて、
心待ちにしていた。

結果、本当に素晴らしい映画だった。The Rootsのクエストラブが監修をしたとのことで、
演奏や内容はもちろんのことだけど、映画全体の編集も素晴らしかった。
1969年というのは、ロックやソウル、ジャズに限らず多くのポピュラー音楽の変革の年だったと思うが、
あらためてそのことを実感する内容だった。

ゴスペルの女王マヘリヤ・ジャクソンと堂々たる共演をするメイヴィス・ステイプルズ。
新世代のバンドとして一挙に頭角を表したスライ&ザ・ファミリーストーン。
名門テンプテーションズを離れソロとしてのキャリアを進むデヴィッド・ラフィン。
映画のなかでも「アフリカの女王のよう」と評されていたニーナ・シモーン。
可愛らしさが残るグラディス・ナイトの歌も素晴らしい。
B.B.キングはすでに堂々たるブルースの王様っぷりを発揮している。
映画に出てくるアーティスト全てが素晴らしく、心打たれる。


ハーレムという黒人街でこうした大きなフェスティバルが開催されたと言うことが革新的だし、
ソウルやジャズ、ゴスペルという音楽も新たな時代に突入していく瞬間を記録する凄まじい内容だった。

フィフス・ディメンションやチェンバーズ・ブラザーズのようにこれまであまり話題になることがなかったグループに
脚光があたるのも凄くいい。
個人的にもフィフス・ディメンションあたりはちらっとしか聴いたことがないグループだったから、 映像で見て改めて興味を持った。

こんなフェスティバルにもし参加できる時代に生まれていたら、
なにがなんでも参加をしていたな、と思った。

この夏は結局なんのフェスにも行くことなく、静かに過ごしていたけれど、
最高のバーチャル・フェス体験ができた。

「ワッツタックス」「ソウル・トゥ・ソウル」「ソウルパワー」など素晴らしい音楽映画に並ぶ、
大傑作の登場だ。
願わくば未公開となっている演奏シーンもまとめてボックスセットで作品化してくれないだろうか。
どのライブも世界国宝級の文化遺産だと思うのだが。

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