ビリー・ジョエルのシェイスタジアムでのライブを収録した映画を観てきた。
来月には待望の来日ライブがあるので、その予習ということで体感をしたが、
本当に素晴らしいライブだった。
ビリー自身のパフォーマンスの充実しているし、
バンドのクオリティも素晴らしい。
多彩なゲストがまた豪華ですごいのだけど、
トニー・ベネットと一緒に歌う「New York State Of Mind」は、
自分が中学生の頃に夢中で聴いて、自分でもピアノを弾いて歌った曲だったから、
感涙してしまった。
歳を重ねると涙もろくなるのは、仕方ないのかな。
終盤にはビリーにとっても憧れのポール・マッカートニーが登場する。
シェイ・スタジアムとの関わりでいけばポールもまたビートルズ時代からの歴史があるので、
観客も大変な盛り上がりだった。
というかポールとビリーの共演って、凄すぎる。
最終曲はポールがピアノを弾き「Let It Be」を歌うので、
いいとこをポールがさらっていった感が否めないが、
嬉しそうに一緒に歌うビリーを観て幸せな気持ちになれた。
映画では各曲の対訳もしっかり字幕で入れてくれていて、
ビリーの歌の世界と、あらためて向き合ういい機会だった。
とりわけはっとさせられたのは、労働者のことをうたった「アレンタウン」だ。
不況が訪れ、街が廃れていく。
この曲が描かれたのは1983年で、自分が聴いたのはその数年後だった。
まだ中高生だったけれど、世の中はバブルに浮かれ、
謎の景気と熱狂だったから、「アレンタウン」で描かれたことはあまりピンと来なかった。
でも、現在の日本人にとっては、この曲で歌われる光景は、より切実に伝わるのではないだろうか。
Well we're living here in Allentown
And they're closing all the factories down
Out in Bethlehem they're killing time
Filling out forms
Standing in line
僕らはここアレンタウンに住んでいる
工場は閉鎖されていく
ベスレヘム郊外では
時間を持て余し
求人票に記入をして
職案にみんな一列に並んでいる
ビリーの曲は、街の人々の光景や交差する想いが描かれていて、
何度も噛み締めながら聴くのが一番いいと思った。
そういう意味でも、今回の映画上映は最高の予習の機会だったので、
来年のライブまでしっかりと曲を聴いておこう。
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