いきなり告白をしてしまうが、17、8年前の若い頃、僕はマーヴィン・ゲイの「What's Going On」がキライでした。名曲なのは勿論わかっていたし、マーヴィンは大好きなのだけど・・・。
もっとハッキリ書くなら、ド定番となっているあの曲を得意げに演奏するヤツらがキライだったのだ(笑)。
そこそこいい感じにやれてるソウル系のバンドが大抵「What's Going On」をしたり顔でアンコール辺りで演奏をする、あの感じがどうにもキライだった。
これはとてもひねくれた感覚だし、ある意味アンビバレンツな思いですね。
曲は好きなのに、そういう位置づけがキライということ。
あの頃はマービンの曲でいうなら「What's Going On」のような社会的なメッセージより、もっと大胆に”エッチしようぜ”っていう「Let 's Get It On」や「Sexual Healing」、パーティチューンな「Got To Give It Up」のほうがずっとかっこいいと思っていたし、ファンクだと思っていた。
今ではFREEFUNKでも「What's Going On」は何度となく演奏しているし、やはり名曲です。間違いなく代表曲です。
でも、実は今でもちょっとあの頃のような気持ちが捨てきれていない。
2月に高円寺のジロキチで、村上さんと一緒に演奏をさせていただいたカーティス・メイフィールドの「Superfly」。
実はこちらから村上さんにオファーしたのは「What's Going On」か「Superfly」あたり、というチョイスだった。
ご本人にメールでオファーしたのだが、非常に忙しいだろうしリハも出来ないだろうから、定番の「What's Going On」あたりですかね、というような事を書いたのだです。
ただ!上記のような思いが今でもどこか心の中にあって
「こういうときって大体ブナンにWhat's Going On選んでおけば、皆すぐ出来るもんな、でも・・・」
という気持ちがありダメもとで「Superfly」も選んでみたのです。セッション向けにこの曲をやる、というのは全く聞いた事がない。でもこの曲はフリーファンクの良いところを凄く活かせる曲だし、実際にORITOさんとも何回もやったし、村上さんのボーカルにも絶対はまる!と確信してました。
しばらくして、表参道でスライを見た後に飲んでいると、村上さんから電話。
「Superflyやります!」の一言。
感動しましたよ!リハもあまり出来ない中で、あえてこの曲を選んでいただけて本当に嬉しかったです。
そして、本番はもうご覧いただけたとおり。素晴らしいものとなりました。
ゴスペラーズの時とはまた違う、ソウルの野性味、官能美を持ち合わせた凄いボーカルで、バンドもグイグイ引っ張られました。
ジロキチライブ終演後にも、
”こういう時に「What's Going On」とかじゃないよね、やっぱ”
という話をさせてもらった。
そう、定番でお茶を濁しちゃいけないんです。そういう思いを村上さんも持っているという事が何か凄く嬉しかった。
ハードルを自ら高く掲げ、超えていくそのプロ魂に感動しました。
そんなわけで、What's Going OnじゃなくてSuperfly。
でも、次はまた違う事を一緒にやるのだろうなあ(笑)。
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