2013年1月9日水曜日

墓場まで持っていきたいレコード

少し前だが
ガキンチョの頃からの悪友であり親友と
久々の再会を祝して吉祥寺で飲んでいたときのこと。

何せ自分にブルースやギターを教えてくれた友人なので
おのずと音楽の話になった。

「(自分が死んだとき)棺桶に入れてもらうとしたら、
どのレコードだろう?」
という話になった。

その友人は
ストーンズの「Sticky Fingers」か
Bob Dylanの「Free Wheelin'」だった。
いかにも、らしいチョイスだなと納得。

自分はどうだろうと考えて答えたのが
スライの「暴動」か
ストーンズの「Beggars Banquet」
だと答えた。

ファンカデリックの「Maggot Brain」じゃないのかよ?って突っ込みをもらったが、
残念ながら「Maggot Brain」は思い浮かばなかった。
勿論大好きで影響を受けまくったアルバムなんだけど...。

友人と自分に共通しているのは、
それぞれ十代〜二十歳前ぐらいまでに聴いたアルバムで
衝撃受けて以来未だに時々聴いてしまうという事だろう。

自分の場合、ロックはずいぶん聴かなくなってしまったけど
ブルースやR&Bを教えてくれたストーンズは未だに好きだったりする。
そしてスライの「暴動」は、多分一生聴き続けるだろう。
仮に、仮にファンクやソウルの事を好きじゃなくなった(飽きた)としても、
このアルバムだけは別格な存在だ。

数年に何回かで、こんな事がある。

どのアルバムを聴いてもピンと来ない、
家にはいっぱいCDもあるし、
お店にいけば聴いてみたい未聴のCDも
いっぱいある。
だけど不思議と手が出ない、ということが。

そういう困った時には、全然興味の無かったジャンルや
アーティストの音楽を試してみたりするのだけど
それでもピンとこないときに
自分が帰るべきところとして
スライの「暴動」を聴くことにしている。

そしてその度に、このアルバムのぶっ飛び具合にやられ、
新しい発見をしたりするのだ。
歌詞も、サウンドも、演奏もアレンジも、録音も
すべてがぶっ飛んでいるアルバムだ。
「STAND!」の頃のようなバンドとしての有り様というよりは、
スライが一人でイマジネーションを音に変えて作り上げた音楽という印象が強い。

キャッチーな曲もどこか陰鬱で
狂気を感じさせてくれる。
単なるパーティーミュージックじゃない、
陰と陽でいうなら、圧倒的に「陰」の世界にある音楽。

なぜかそういう表現に自分は魅了されてしまうのだ。
その点では「Beggars Banquet」も同様かもしれない。
どこか危ういバランスで成り立っている音楽にしか出せない魅力があると思う。

少し前に出た「暴動」の国内盤には、貴重な当時の未発表音源(デモみたいなものだ)も収録されていて、
それもなかなか面白いので、まだ聴いた事の無い人は是非聴いてみてもらいたい。

というわけで、墓場なり無人島なり
自分が持っていくレコードはコレです。

もっとも、今風だったら好きな音源がたっぷり入ったiPodとかiPhoneを棺桶にいれてもらうのかも(笑)。










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