2017年10月19日木曜日

R.I.P. 伊藤耕 "Mr. Freedom"

昨夜流れたThe Fools伊藤耕さんの訃報。
衝撃だった。
不屈で破天荒な、永遠のロックンローラーだと思っていたから、まさかこんなことになるとは・・・。

中学生のあたりから、洋楽のロックやポップスが好きになり、
ドアーズやTレックス、ストーンズに夢中になっていた頃、日本にもそんなバンドやアーティストがいるんだと知り、
色々探していたなかで、高校生の頃にThe Foolsという存在を知った。

岐阜のレコード屋には売っていなかったので、名古屋にある円盤屋というレコード屋まで行き、
再発されたという彼らの唯一のアルバム「Weed War」を聴いて、ぶったまげたものだ。
レコードに針を落とすまでは、勝手にルーズで横ノリなロック、例えばストーンズの「メインストリートのならず者」あたりを想像してたのだが、
A面はまさしくファンクメドレーの流れで、16ビートのカッティングやスラップベース、女性コーラスの雰囲気など、
それまで自分が接したことのない(そしてそのあとのめり込んでいく)サウンドそのものだった。
B面はややルーズな雰囲気の曲もあったが、「Wastin' Time」なんかは最高にかっこいいファンクナンバーだったし、
締めくくりの「空を見上げて」なんかも、ロックンロールな曲なのに、独特なグルーヴを持っているように感じた。
文字通り、擦り切れるほどこのレコードは聴いた。

宝島あたりの雑誌記事ではいつも紹介されるときに「メンバーが別荘暮らしで活動休止だが・・・」みたいなに書かれていて、
初心な少年にはなんのことか今一つわからなかったが、東京に大学進学できて真っ先にみたThe Foolsのライブをみて、
この人たち、とりわけ耕さんはちょっと世間離れした存在だなってすぐに感じたものだ。
最初にみたライブは江戸アケミ追悼ライブだったかもしれない。
そのあとは毎月のように代々木のチョコレートシティや、原宿のクロコダイルなんかに足を運んだ。

全くもって最高で、ある時は最低のロックンロールバンドだった。
ある時のチョコレートシティでのライブでは、開演時刻から2時間近くバンドメンバーもお客さんもだらだらと待ち、
待ちわびた頃に耕さんが駆け込んできて、そのままライブスタートなんてこともあった。
そうかと思えば、途中休憩を挟むものの一晩で3時間もの充実した最高のライブだったり・・・。

インディーズで、これだけの長きに渡り(活動休止も長いが)続いたバンドはなかなか無いと思うし、
常識なんかもぶっ飛ばして転がっていくロックンローラーは、もう居ないんじゃないだろうか。

耕さんの歌を聴いていつも思うのは、深い意味などなさそうな言葉が、歌になった瞬間に
ものすごくグルーヴを帯びて音楽になっていくことだ。
別荘暮らしを含めた破天荒なロックンロールライフはマネどころか反面教師みたいなもんだったが、
彼のそうした言葉をグルーヴさせるところは、すごく刺激を受けた。

2015年には長年の相棒のギタリスト川田良さんが亡くなっている。
いまごろ天国では、耕さんと良さんで、永遠に自由なロックンロールの音合わせをはじめた処だと思い、
素晴らしくかっこいい音楽への感謝と、追悼の気持ちを寄せたい。

こちらは1984年「Weed War」リリースの頃のライブ。






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