2024年11月18日月曜日

安部公房とピンク・フロイド

日曜は横浜元町まで出かけ、神奈川近代文学館で「安部公房展」を見てきた。
元町に行くのもかなり久しぶりだが、この文学館は初めての訪問だ。
少し前の新聞で、この展示企画が記事で取り上げられていて、
12月8日までの開催だというので、急いで行ってきた。

アメリカ山公園の少し先にある、眺めの良い場所にあり、
そこに行くまでの道のりもちょっとした旅行気分で楽しめた。
元町に行く前には、中華街で美味しい中華ランチも食べたので、
ここ最近あまり出来ていなかった。プチ旅行のような感覚だった。

安部公房は、大好きな作家の一人だ。
初めて読んだのは高校生か、大学生だっただろうか。
「砂の女」が最初のきっかけだったが、あまりの面白さにはまり、
文庫本を次々と買って読んだ。
今でも時々、文庫本を手に取ってパラパラと捲ることもある。

今回の展示では、安部工房の幼い頃の写真から、
作家を志した時期から、作家や戯曲家としての活躍、
そして晩年に至るまでを網羅した内容で、とても充実をしていた。

若い頃に、埴谷雄高とやりとりをしたハガキだとか、
その時代の空気まで伝わるような展示物が多く、非常におもしろかったが、
自分がなんと言っても興味を持ったのは、
安部公房が所有したシンセサイザー、そしてピンク・フロイドの音楽が好きだったということだ。

ワードプロセッサーのような新しい技術を積極的に導入していたらしいが、
シンセサイザーまで入手していたのは興味深い。
現実には無い音を作り出せるシンセサイザーに、
きっと魅力を感じたのだろう。
ピンク・フロイドも新しい時代のクラシックの要素を感じていたようだ。
ピンク・フロイドが登場した時代、60年代末から70年代には、40代後半ぐらいだったはずだが、
そうした感性の鋭さを改めて知ることができて、
非常に刺激的な展示企画だった。

改めて、安部公房の書作品を読み返したくなった。
少し前に公開されていた映画「箱男」も観れていないので、
ぜひ観ようと思う。

YouTubeを検索してみたら、こんな動画が。
見応え十分なすごい動画だ。

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