2025年3月1日土曜日

Chris "SUPERBAD" Jasper

訃報が続くのが辛いが、アイズレー・ブラザーズの「3+3」以降、1970年代の黄金期を支えた、
Chris Jasperが亡くなってしまった。

「3+3]からのアイズレー・ブラザーズは、セルフコンテインド、自分たちで演奏して歌うバンドスタイルに移行したのだけど、
そのバンドサウンドを支えた若い3人の一人として活躍をしたのがクリスだった。
個人的にはギターのアーニー・アイズレーに注目と関心が行ってしまうが、
客観的にアイズレー作品を聴けば、クリスの才能と貢献度の大きさは強く感じるものだ。
70年代ファンクに夢中になり始め、割とすぐに聴いたのが70年代のアイズレー作品で、
「3+3」はもちろん、「THE HEAT IS ON」や「GO FOR YOUR GUNS」、「WINNER TAKES ALL」あたり、
大好きだった。

80年代にアイズレーが分裂したあとの若手だけのグループ、
アイズレー・ジャスパー・アイズレーも好きだった。
今でも"8th Wonder Of The World"とか聴くとテンションが上がっていく。
80年代の日本の歌謡曲にも相当影響を与えたのでは?

アイズレーのサウンドの話に戻ると、大きく2種類の方向性を感じる。
ひとつはアーニーのギターが主体となり、ギターソロを弾きまくるようなタイプ。
ヒット曲で言えば「That Lady」などだし、「Voyage To Atlants」とか。
名盤「Between The Sheets」のオープニングを飾る「Choosey Lover」もそんな曲。

一方、クリスのキーボードが全体に響くタイプの曲。
ファンクで言えば「Live It Up」とか「The Pride」のようにクラビネット、エレピがかっこいい曲。
バラードでは言わずもがなの「For The Love Of You」、そして「Between The Sheets」タイトル曲。

もちろんP-Funkのパーラメントとファンカデリックのように明確にはっきりと分かれているわけではないので、
ギターもキーボードもしっかりと響いてくるのだけど、大きく分けると方向性はあったように感じる。

名人プレイヤー、アレンジャーでありプロデューサーでもあったクリスを偲んで、
しばらくはアイズレーやクリスの関わった作品を聴こうと思う。
Rest In Peace, Chris "SUPERBAD" Jasper. Thank you for your music, songwriting and creativity.

2025年2月26日水曜日

Rest In Peace, You Are My Heaven...

ロバータ・フラックが亡くなってしまった。
御年88歳、家族に見守られながら旅立っていったとのことだった。


多くのソウル、R&Bファンにとってロバータは特別な存在だったと思う。
自分にとっても、繰り返し聴く重要なアーティストだった。
そして多くのミュージシャン、ソウルやR&Bを志向する人にとっても、
必ずレパートリーに入っていたのではないだろうか。

スマホの写真に何も残っていないけれど、
ブルーノート東京と、TOKYO JAZZで2010年にライブを観ることができた。
完璧なバンドアンサンブルに乗せて、最高の歌声を聞かせてくれたことは、
ずっと忘れない素晴らしい体験だった。

先日Netflixで観た1970年代の音楽映画「ソウル・チルドレン」にも出演していたし、
同じく1970年代のブラックミュージックの隆盛を記録した名作「ソウル・トゥ・ソウル」にも
ロバータは出演・参加していた。
この映画は大好きな一本で、18,9歳の頃に教えてもらい夢中で何度もビデオを観た。

これもきっと、多くの人が同意と思うが、ダニー・ハサウェイとのデュエットは
何度聴いても胸が熱くなる。
名曲の数々も多い。
今頃、天国でダニーと久しぶりのデュエットをしているだろうか。

本当に多くの名曲と素晴らしい歌をありがとうございました、と心より伝えたい。
Rest In Peace, Sweet Soul.

どの曲を選ぶかとても迷ったけど、
やはりダニーとのデュエットのこの曲を。




If angels whispered to you early in the morning
It's really something wonderful and rare
I get up in the morning feeling that forever
I have all your love and all your care

朝早く 天使が耳元でささやくなら
それは本当に素敵で稀なこと
目が覚めてそれは永遠だと感じる
あなたの全ての愛と想いがある

ロバータが歌うほんの一節だけど、なんて素敵で愛に満ちた歌詞なんだろう。
この曲で歌われる『愛』が永遠であるように、
ロバータとダニーの歌声もまた永遠のものだ。

2025年2月15日土曜日

1990 2月

5年前にも書いたことだけど、自分にとって大事なことなので
もう一度書き記しておく。

1990年2月、今からちょうど35年前のこと。
ローリング・ストーンズが初めて日本でライブをした。
幻と消えた1973年の来日公演から、17年を経て実現したライブ。
今でも記録は破られていないと思うが、東京ドームで10公演をおこなった。

大学受験のため、岐阜から東京に来ながら、
その合間に東京ドームへ通った日々。
雪も降り寒かった記憶がある。

ミック、キース、チャーリー、ビル、ロニー。
このメンバーが揃って日本でライブをやったのは、これが最初で最後になった。

このストーンズライブは、確実に自分の人生、進む道を変えた。
いまでもここに原点があると感じる。
それぐらい影響力の大きい事件だったのだ。

ストーンズはチャーリーを失った今も、
精力的にツアーをやろうとしている。
ミック、キース、ロニーには是非また日本に来てライブをしてほしい。